医療機器製造販売業と医療機器販売業の違い
元売り(市場に出荷)を行い、市場にある製品に対して最終的な責任を負う業者
市場に出荷された製品を販売する業者
医療機器販売業・貸与業とは
医療機器を販売、授与、若しくは貸与又はこれらの目的で陳列する場合には、扱う医療機器のクラス分類に応じた手続きが必要になります。
リスクの高い「高度管理医療機器」に指定されている医療機器や、保守点検に専門的な知識や技能を必要とする「特定保守管理医療機器」を、一般ユーザーに販売したり譲渡、賃貸したりする場合には、「高度管理医療機器等販売業(貸与業)許可」が必要です。
また、リスクが比較的低い「管理医療機器」を一般ユーザーに販売するには、「管理医療機器販売業(貸与業)届」が必要です。

高度管理医療機器・特定保守管理医療機器の販売業・貸与業の許可要件
◆販売、貸与を行う営業所ごとに、所在地の都道府県知事が許可を与える。
◆物的要件・・・構造設備などが薬局等構造設備規則に適合していること。
◆人的要件・・・申請者の要件を満たし的確な資格を有する管理者の選定。
■営業所について
(ア)採光、照明及び換気が適切であり、かつ、清潔であること。 |
(イ)常時居住する場所及び不潔な場所から明確に区別されていること。 |
(ウ)取扱品目を衛生的に、かつ、安全に貯蔵するために必要な設備を有すること。 |
*医療機器プログラムの電気通信回線を通じた提供のみを行う営業所については、適用しません。
■営業所管理者の設置
高度管理医療機器、特定保守管理医療機器または特定管理医療機器を販売又は貸与する場合には、営業所ごとに管理者を設置しなければなりません。
管理者は取り扱う医療機器ごとに細かく規定されています

高度管理医療機器の営業所管理者
指定視力補正用レンズ等のみを販売等する販売業者等
(1)高度管理医療機器等(プログラム高度管理医療機器を除く)の販売等に関する 業務に1年以上従事した後、別に厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣の登録を受けた者が行う基礎講習を修了した者
(2)非視力補正用コンタクトレンズの販売業及び貸与業に関する講習を修了した者
プログラム高度管理医療機器のみを販売提供等販売業者等
別に厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣の登録を受けた者が行う基礎講習を修了した者
上記以外の医療機器の販売等する販売業者
(1) 医療機器の販売又は貸与に関する業務に3年以上従事した後、別に厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣の登録を受けた者が行う基礎講習を修了した者
(2)厚生労働大臣が上記(1)に掲げる者と同等以上の知識及び経験を有すると認めた者
・医師、歯科医師、薬剤師の資格を有する者
・医療機器第一種製造販売業の総括製造販売責任者の要件を満たす者
・医療機器製造業責任技術者の要件を満たす者
・医療機器修理業の責任技術者の要件を満たす者
・法律で規定する試験に合格したとみなされた者で登録を受けた者
・財団法人医療機器センター及び日本医科器械商工団体連合会が共催で実施した医療機器販売適正事業所認定制度「販売管理責任者講習」を修了した者
管理医療機器の営業所管理者
(1) 高度管理医療機器等の販売等に関する業務に1年以上若しくは特定管理医療機器の販売等に関する業務(一部の限定された医療機器の販売業務を除きます)に3年以上従事した後、国の登録を受けた者が行う基礎講習を修了した者
※基礎講習実施機関
財団法人 医療機器センター
日本ホームヘルス機器協会
総合健康推進財団
(2)医師、歯科医師、薬剤師の資格を有する者
(3)第一種医療機器製造販売業総括製造販売責任者の要件を満たす者
(4)医療機器製造業の責任技術者の要件を満たす者
(5)医療機器の修理業の責任技術者の要件を満たす者
(6)法律に規定する試験に合格したとみなされたもののうち登録を受けた者(=みなし合格登録販売者)
(7)公益財団法人医療機器センター及び日本医科器械商工団体連合会が共催で実施した医療機器販売適正事業所認定制度「販売管理責任者講習」を修了した者
(8)「検体測定室に関するガイドラインについて」の別添で定める検体測定室の運営責任者である看護師又は臨床検査技師この場合は、検体測定室における検査で使用される医療機器のみを販売等する営業所に限られます
兼務について
原則認められませんが、次の場合のみ例外的に認められます。
・医療機器の特性等から営業所において医療機器を取り扱うことが品質管理上好ましくない場合や医療機器が大型である等により、営業所で医療機器を取り扱うことが困難な場合等において、営業所専用の倉庫である別の営業所を同一事業者が設置している場合であり、かつ、営業所において実地管理できる場合
・医療機器のサンプルのみを掲示し(サンプルによる試用を行う場合は除きます)、営業所において販売、貸与及び授与を行わない営業所である場合であり、かつ、その営業所において実地に管理できる場合
欠格要件(高度管理医療機器のみ)
申請者(申請者が法人であるときは、その業務を行う役員を含む。)が、次の①から⑥までのいずれかに該当するときは、欠格の基準となって許可を与えられない場合があります。
① | 許可を取り消され、取り消しの日から3年を経過していない者。 |
② | 登録を取り消され、取り消しの日から3年を経過していない者 |
③ | 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった後、3年を経過していない者 |
④ | ①から③までに該当する者を除くほか、医薬品医療機器等法、麻薬及び向精神薬取締法、毒物及び劇物取締法等薬事に関する法令で政令で定めるもの又はこれに基づく処分に違反し、その違反行為があった日から2年を経過 していない者 |
⑤ | 成年被後見人又は麻薬、大麻、あへん若しくは覚せい剤の中毒者 |
⑥ | 心身の障害により高度管理医療機器又は特定保守管理医療機器の販売業又は貸与業の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの |
(管理医療機器に欠格要員はありません。)
医療機器の不具合報告・回収報告
提供した医療機器の使用によって保健衛生上の危害が発生し、拡大する恐れがあることを知ったときは、これを防止するために廃棄、回収、販売の停止など必要な措置をとる必要があります。
不具合報告については、製造販売業者が実施する責務ですが、販売業者・貸与業者、修理業者においても発生した不具合について入手した場合は製造販売業者に不具合情報を提供していくことが必要です。
不具合とは 動作しない、性能が出ないといった機器自体の故障や、使用者側の要因で発生する事象も含まれる。 | |
仕様上の問題 | 安全性の観点から設計コンセプトの見直し等が必要なもの |
不良品 | 製造過程で規格通りに製造されなかった 流通段階で不適切な輸送、保管が行われた |
故障 | 規格に従い製造され、品質検査を合格し、出荷されたものがある一定期間使用された後で動作が不良になる事象 |
添付文書の不十分な記載 | ヒューマンエラーを誘発させる表現がされているために発生した事象 |
副作用 | 正しく使用されている場合で、不可避的に発生する可能性のある健康被害又は医療機器の機能不全 |
回収とは 製造販売業者等がその製造販売をし、製造をし、または承認を受けた医療機器を引き取ること。 「改修」(物理的に他の場所に移動することなく、修理、改良調整、廃棄または監視を行うこと) 「患者モニタリング」(医療機器または再生医療機器等製品を患者から摘出することなく、使用している患者の経過を観察すること)を含む |
回収のクラス分類
不良医療機器等の使用によりもたらされる健康への危険性の程度により、個別回収ごとにクラス分類されています。
回収に係わるクラス分類の定義 | 回収状況の報告 | |
クラスⅠ | その製品の使用等が、重篤な健康被害又は死亡の原因となり得る状況 | 回収着手当初は、おおむね1カ月ごとに報告 |
クラスⅡ | その製品の使用等が、一時的もしくは治癒可能な健康被害など、重篤な健康被害のおそれはまず考えられない状況 | 複数回にわたって情報提要が必要な場合や社会的関心が高い場合等、保健衛生上の危害の防止のためには都道府県薬務主管課等において定期的に回収の状況を把握しておく必要があると考えられる場合は、定期的に報告 |
クラスⅢ | その製品の使用等が、健康被害の原因となるとはまず考えられない状況 |